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  • 2010.12.28 Tuesday
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村上春樹が走る理由―― 「走ることについて語るときに僕の語ること」

評価:
村上 春樹
文藝春秋
¥ 1,500
(2007-10-12)
コメント:朝もや立ち込めるなか、走り出したくなるような爽快感がある。

 「走ることについて語るときに僕の語ること」(村上春樹著)を読みました。


 村上作品の熱心な読者(「ハルキスト」というらしい)には周知のことですが、
作家であると同時に、熱心なランナーとしても知られています。

 
 作家活動を始めてから走り始めて25年。
 今では年に一度はフル・マラソンを走り、近年はトライアスロンにも取り組んでいます。
 作家というと、昼夜逆転の不健康な生活を送り、頭をばりばり掻きむしりながら仕事をしているような印象があるが、
 村上春樹は、そんな図式的作家の対極にある超健康優良作家なのだ(頭は掻きむしっているかもしれないが)。


 本書は、主に2005年から2006年までの間、ランナーとして走ったレースを振り返りながら、走ることの意義や走り続ける思いについての文章をまとめたものだ。
 初めて走ったアテネでのフル・マラソンから始まり、ボストンマラソン、日本でのマラソンなど、大会に向けての準備から実際のレースで感じたことなどをかなり正直に語っている。
 基本的には1週間で60キロを走る。レースが近づくと、調整のためにさらに距離を伸ばすこともある。

 もちろん走ることが好きだから続けているわけだが、走ることがつらいときも、もちろんある。
 一度100キロを走るウルトラ・マラソンに挑戦したときは、実際に身体に(精神的にも)大きなダメージを受けたという。


 それでも走り続けるのは、まずは小説のため。
 作家として長編を書き続けるためには、集中力を長期間にわたって持続させられる体力が何よりも必要とされる。村上春樹にとって走るというのは、作家としてのエネルギーを得るための活動ということがある。

 もうひとつは、痛みを通してしか得られないものがあるということを身をもって経験しているからだろう。文中でも「もし走っていなかったとしたら、自分の文体は今より違ったものになっていただろう」とも語っている。それだけ走ることは作家としての彼自身と密接に結びついているのだ。



 マラソンのつらさについても包み隠さず語られているにも関わらず、読み終わった後はなんだか朝靄のなかをスマートに走ってみたくなる。マラソンに参加してみたくなる。


 これはやはり、語り口のうまさであるのだろう。

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